厚生労働省が公表した今年3月サービス分の「介護給付費等実態調査」(以下・4月審査分)によると、小規模デイサービス事業所数(総合事業・介護予防除く)は2年連続で減少。2年間で4054ヵ所、約17%減となった。また、訪問介護(同)の事業所数も初めて減少し、3万3284ヵ所と前年同月比で161ヵ所減った。
訪問介護も初の減少
4月審査分のデータは厚労省が審議会などに基礎資料として提示するもの。それによると、デイサービス(総合事業・介護予防除く)の事業所数は4万3308ヵ所となっており、4万3399ヵ所だった前年同月比で91ヵ所少なかった。
デイが初めて減少に転じたのは2016年度。15年度末には小規模デイは2万3763ヵ所あったが、17年度末には1万9709ヵ所に減った。
デイサービス利用者の総数は増加し続けており、サービスの規模自体が縮小しているわけではない。小規模デイの減少の一因となったのが、地域密着型サービスへの移行を嫌った事業者の通常規模デイへの転換。実際、通常規模・大規模型は17年度末で2万3599ヵ所に増え、この2年間で大きく増加した。
15年度の介護報酬改定で、小規模デイの基本単価は大幅に引き下げられ、18年度の介護報酬改定も実質マイナス改定となった。このような施策の動向を見据え撤退を決めた事業者や、採用コストの増加や他社との競争激化などにより廃業に追い込まれた事業者も少なからずあると言われており、事業所数の減少に深く影響している。
訪問介護の事業所数(総合事業・介護予防除く)は3万3284ヵ所に減少したものの、利用者の総数は100万7600人となっており、前年同月比で1万1400人増え、初めて100万人の大台を突破した。
4月審査分では、全国の受給者総数は、介護予防サービスが69万8000人、介護サービスが423万9000人となっている。受給者1人当たりの費用額は、介護予防サービスが2万7500円、介護サービスが19万4200円だった。
介護給付費等実態調査は、介護サービスにかかわる給付費などの状況を把握し、介護報酬の改定など、介護保険制度の円滑な運営及び政策の立案に必要な基礎資料を得ることを目的とし、01年5月審査分より調査を実施している。
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