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高齢者住宅新聞社は7日、6月に開催した上海・南京の介護・医療現場の視察ツアーについて、報告会を実施した。関係職種や行政関係者、大学職員など約70名が参加。ツアー参加者が伝える実情に耳を傾けた。

 

 

急速に進む制度構築
ツアーは例年、高齢者住宅新聞社が中国の介護・福祉事情の視察を目的に実施しているもの。上海と南京両市の介護事業者、大学などを訪問した。報告会では、参加者がそれぞれの視点から視察内容を報告した。

 

ツアーの企画者である日中福祉プランニングの王青代表と、訪問看護の制度創設に関わった、元衆議院議員の山崎摩耶氏は中国の介護事情について説明。中国では、60歳以上の高齢者は2050年に総人口の33%、4・5億人に達すると予測されていること、3年前に一人っ子政策に終止符が打たれたものの、生涯出生率は1・1と日本より低く、急速な少子高齢化が進んでいることなどを解説した。
山崎氏は「失能(要介護)状態にある人がすでに4000万人いる」と中国市場のサイズ感に言及。また、日本の事業参入について、「ローエンド、ハイエンド、ボリュームゾーンのどこをターゲットとするのか見極め、産学協同で、あるいはベンチャー企業として挑戦するのか、自らの戦略と、中国側のメリットを示す必要がある」と指摘した。

 

王代表は、「中国のサービスでは公立の施設には待機者が多く、民間は空床が目立つなどの格差が生じ、人材不足も深刻など日本同様の課題も生まれている。『安心と安全』、『介護の総合的なスピリット』など、先行している考え方をどのように活かすかがカギとなる」とした。

 

このほか、ニッセイ基礎研究所(東京都千代田区)の保険研究部片山ゆき准主任研究員は、上海市・閔行区(びんこうく)虹橋社区衛生サービスセンターの取組みを通じ、大型医療機関から地域医療拠点への誘導・医療施策を紹介。デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー(同)の細見真司氏は「養老産業と不動産開発」という切り口で、市場を分析・解説した。

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