厚労省の調査で、2018年4月に創設された介護医療院の施設数は全国で21施設(6月末現在)にとどまり、32都府県では開設されていないことがわかった。県別では長崎県が3施設306床で施設数・床数ともに最も多かった。
110自治体で新設見込まず
21施設はすべて転換案件で、転換前の種別では、介護療養病床(病院)が621床、介護療養型老人保健施設(以下・転換老健)が629床だった。
介護医療院は、介護療養病床の機能強化型に相当する「I型」と、転換老健に相当する「Ⅱ型」の2区分に分けられている。「I型」は、重症者や身体合併症を持つ認知症高齢者の割合が半数以上など、より医療必要度が高い内容となっている。21施設の内訳は、「I型」が13施設781床、「Ⅱ型」が8施設619床だった。
介護医療院を開設した15道県をみると、長崎県が3施設で最も多く、次いで北海道、山口、徳島、香川の4道県が2施設、残る10県は1施設。介護医療院を開設するには、自治体が条例を制定する必要がある。厚労省によると、全国の121自治体のうち、前橋市や福島県いわき市など9自治体では、6月末時点で条例が施行されていなかった。
また新設の際は、都道府県の総量規制の対象となるが、110自治体では、第7期介護保険事業支援計画で新設を見込んでいないという。
2018年度介護保険法改正で、医療・介護連携の重要な位置づけとなっている介護医療院だが、転換は進んでいない。
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