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独立行政法人福祉医療機構(以下・WAM/東京都港区)は11月5日、介護事業者を対象に実施した「平成30年度介護報酬改定の影響に関するアンケート調査」の結果を発表した。特養は報酬が引き上げられたものの、稼働状況の悪化などが影響し、増収となったのは3分の1に留まった。

 

 

利用率悪化響く 「増益」は2割強
この調査は今年7月~8月にかけてWebで全国5860法人を対象に実施。1298件の回答を得た。特養の回答数は1070。
今年度の介護報酬改定では、定員30人の小規模特養以外は1・8~1・9%の報酬増となったため、今回の調査では前年より増収増益となる特養が多くなることが期待されたが、実際には増収は33・5%に留まった。一方減収となったのは18・0%。減収となった要因について尋ねたところ、最も多かったのは「改定以外の要因による利用率の変化」で65・5%。つまり、稼働状況の悪化が報酬プラスの効果を打ち消してしまっている。
さらに、これに人件費の増加などが加わり、利益ベースで見てみると「増益」が23・2%、「減益」が24・6%と拮抗している。

 

この結果についてWAMでは「介護人材の確保難の環境のなか、人件費率の上昇が続いており、特養の経営の厳しさは改定後もあまり変わらない状況がうかがえる」としている。

 

また、今回改定で創設された加算の算定状況では、「配置医師緊急時対応加算」は17・3%が体制の届出を行っている。また「看取り介護加算(Ⅱ)」に関しては15・0%が体制を届け出ている。
このほか、「排せつ支援加算」は3・8%が算定。以下「褥瘡マネジメント加算」は17・6%、「低栄養リスクマネジメント加算」は5・1%、「再入所時栄養連携加算」は6・0%の算定率となっている。

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