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「構想前から建築家をチームに」
東京都が運営する平成29年度インキュベーションHUB推進プロジェクト事業として採択されている「SHIP(ShinjukuHealthcareIncubationPark)」。ヘルスケア関連の開業支援などを目的に、イベントやセミナーなどを積極的に開催している。

 

11月3日にはデジタルハリウッド大学駿河台ホールにて、「福祉と建築」をテーマとしたイベントを開催。介護医療関係者と建築家によるセミナーやディスカッションを行った。約100名が来場し、普段交わることが少ない福祉・介護・医療関係者と建築家らが交流を図った。

 

基調講演には社会福祉法人福祉楽団(千葉市)の飯田大輔理事長が登壇。「ケアの科学と創造的福祉実践~クリエイターとの協働の可能性~」について講演した。
飯田理事長は、「情緒的やさしさは大切だがケアを科学的に理解することが必要だ」と話し、ケアとは回復力とも言える生命力の消耗を最小にする生活過程を整える実践であると述べた。また、健康的な福祉施設が備えているべき必須条件として、「新鮮な空気と暖房の工夫」「陽光」「排水、汚物室、廃棄物置き場などの合理的配置」を挙げる。

 

さらにこれからの時代、QOLという個人レベルの最適化から、コミュニティを持続可能なものにするために個人の暮らしがどうあるべきかを問う「QOC」の考え方が重要だと話した。

 

介護医療関係者と建築家によるセッションでは、特養と地域とのコンクリート壁を壊した社会福祉法人愛川舜寿会(神奈川県愛川町)の馬場拓也常務理事、児童養護施設を異なるデザインで3棟に分けて建築した社会福祉法人みねやま福祉会(京都府京丹後市)の櫛田啓理事長らが建築家とディスカッション。

 

施設建築にあたって施主である施設側は、「構想前段階から建築家をチームに加えるべき」との認識で一致。一緒に悩み考えてくれる建築のプロを加えることでさまざまな気付きが得られると話した。

 

飯田理事長は、「施主は建築家に対する対価をしっかりと支払うべき。そうでなければクリエイターが育たない」と忠告。新しい社会を創造していくためには、特に若手クリエイターにチャンスを与えることが必要との考えを示した。

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