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自然災害増加で設備不良に懸念

 ジュピターテレコム子会社のアイピー・パワーシステムズ(東京都港区)は、6月に法改正された自家発電設備の点検・負荷運転に関する提案を強化している。同社主力事業でもある高圧電気料金割引サービスと組み合わせることで、実質負担なく自家発電設備の点検・負荷運転を実施できる可能性もある。

 

 今年6月1日、消防庁より「消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式の一部を改正する件」が公布され、自家発電設備の点検方法が改正された。
 改正前より自家発電設備の点検、及び負荷運転は毎年行うこととされていた。しかし、負荷運転の実施は普段使っている商用電源を一度止めなければ点検できないといったケースが多く、日常業務への支障をきたす。また、自家発電設備が屋上や地下などに設置されている場合、疑似負荷装置の配置が物理的に困難ということもあり、ほとんどの施設で適正な点検が行われてこなかったのが実態だと言われている。

 

 近年は地震や台風など自然災害も目立ち、その際に自家発電設備が正常に作動しなかったという事例が発生。特に病院や高齢者施設では万が一停電時に自家発電設備が作動しないとなれば、生命に関わる大きな問題となる。これを重く見た消防庁は従来の点検方法を見直し、点検・負荷運転が適正に実施されるよう改正を行った。
 改正により、これまでは負荷運転などの総合点検は毎年行うこととされていたところ、予防保全を毎年行えば負荷運転は6年に1回実施、または内部観察等での代替が認められた。裏を返せば「緩和したのだから点検をしっかりと実施せよ」ともよめる。

 

 

電気料金見直し 実質無料で点検
 アイピー・パワーシステムズは、試験装置の高機能化・小型化で、日常使用している電源を止めずに負荷試験を実施可能。電気工事全般を実施しているため、点検に必要な専門家ネットワークを構築している。
 実際に「予防保全を毎年、かつ負荷運転を6年に1回実施」するとコストはどの程度になるのか。

 

 同社の6年間の試算表が図の通り。施設規模により変動があるが、負荷運転1回を含めた6年の総額が174万円となっている。
 自家発電設備の点検・負荷運転のコストが年ごとに異なることを嫌う施設もあることから、同社では点検・負荷運転の6年パックを総額30万円割引となる月額2万円の定額サービスも用意した。
 同社は施設全体の高圧電力料金割引サービスを主力事業としている。施設の最適な電力契約を診断・見直しを図ることで電気料金を削減。これにより自家発電設備の点検などにかかるコストが実質無料になる。

 北海道から沖縄まですべての電力会社との取引実績があり、電気料金については「病院・高齢者施設ではまだまだ削減の余地があるのではないか」(同社)という。
 病院・高齢者施設では設備改修にかける投資余力が少ない法人も多い。同社では実質負担なく自家発電設備の点検ができることから、今後はヘルスケア施設への啓発を強化していく考えだ。

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