高齢者住宅の開発・卸も
チャーム・ケア・コーポレーション(大阪市)は不動産開発事業に参入する。第1弾として都心部で大手デベロッパーとの共同事業の形でシニア向け分譲マンションを開発する。2020年6月期中の販売開始を目指す。
大手デベと共同空室借上げも
開発する物件はチャームと大手デベロッパーが50%ずつ費用負担する形で手がける。自立から軽度要介護までを主な対象と想定する。住民への介護サービス提供体制については未定。重度になりマンションでの生活が難しくなった場合には、同社が運営する高齢者住宅で受け入れるスキームを検討している。
シニア向け分譲マンションを選択した理由について同社下村隆彦社長は「現在、当社では高価格帯の高齢者住宅『チャーム・プレミア』の供給に力を入れているが、入居者の子どもなどからは『同じお金を使うなら、資産として残る形にして欲しい』という要望が出ることもあった。分譲マンションならば購入者が亡くなった後は相続したり売却したりできる。空室は当社が借り上げるので、賃貸収入を得ることも可能」とコメントする。
また、シニア向け分譲マンション以外では、自前で土地・建物を購入して高齢者住宅を開発し、不動産ファンドなどに売却するビジネスも手がける。要望があれば売却後に同社が賃貸して高齢者住宅として運営することも可能だ。
有老ホーム新設年間10棟が限度
同社が不動産開発事業に参入する一因には介護業界の人材不足があげられる。
「サービス品質を低下させないように人材を確保することを考えたら、現状では高齢者住宅の新規開設は年間10棟程度が限界」と下村社長は語る。
同社の場合、高齢者住宅10棟で得られる売上高は年間30億円程度。現在の売上高(注・2019年6月期期初予想で170億円)で30億円の売上増は約18%の増収となるが、「分母は年々大きくなっていくのだから、売上増が30億円で固定されていては『成長率』という点では年々下がっていく。成長率を維持していくには、高齢者住宅の運営以外の事業を手がけることが必要」と分析する。
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