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福岡市は、介護サービス九州(同)が運営する3事業所に対し、介護報酬の不正請求・受領を行ったとして、昨年12月27日付けで指定取消処分を行った。これ以外にも同社の複数の事業所が改善勧告などを受けた。市から同社への返還請求額は合計2億3000万円強に及ぶ。

 

 

人員基準に問題減算せずに請求
指定取消処分となったのは、(1)つくしんぼのデイサービス箱崎、(2)つくしんぼのデイサービス、(3)つくしんぼのデイサービス原、の3ヵ所。
(1)(2)では、看護職員の人員基準を満たしていないにもかかわらず、減算せずに介護報酬を請求・受領していたほか、加算要件を満たしていないのに加算を請求・受領していた。また(3)では、指定申請時に、開設に必要な人員数を満たしているかのように装い、指定を受けていた。
このほか、同社が運営する居宅介護支援事業所、福祉用具貸与事業所、特定福祉用具販売事業に対して改善勧告を、そのほかの4事業所に対しては文書指導を行っている。また昨年6月30日付けで事業廃止をしていたデイサービスについても、約3000万円の不正受領が発覚した。
廃止済の事業所を含め、同社が不正に受領していた介護報酬の総額は2億1463万円強。市では追加徴収金を加えた2億3165万円強の返還を求めている。

 

 

役員が兼務の別会社も処分
なお、ケアビジネスエイド(同)が運営するケアプランセンターケアエイドについても、ケアプラン実施状況に関する記録を作成しないなどの不適切な運営にもかかわらず、減算せずに介護報酬約407万円を請求・受領したとして昨年12月27日付けで指定停止3ヵ月の処分を行っている。同社の役員の一部は介護サービス九州の役員が兼ねている。

 

介護サービス九州は2000年1月設立。今回処分を受けた事業所以外に、訪問介護、訪問入浴、有料老人ホーム、認知症グループホームなどの介護事業を手がけるほか、障害者支援事業なども行っている。
同社について、福岡市のある介護事業者は「歴史はあるし、地元では大手だが、業界の集まりなどにも消極的で、地域の評判は芳しくなかった。今回の不正についても、驚きよりは、よくこれまで行政の指導が入らなかった、という印象だ」とコメントしている。

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