ヘルスケアアセットマネジメント(東京都千代田区)が運用する、ヘルスケア施設の土地・建物を主な投資対象とする上場リート「ヘルスケア&メディカル投資法人」は2月1日、有料老人ホーム、及び病院を含む8施設を総額約227億円で取得する。運営にはSOMPOケア(東京都品川区)やソニーフィナンシャルHDグループのプラウドライフ(横浜市)などが名を連ねる。
個人投資家への宣伝効果も期待
今回取得するのは介護付有料老人ホーム単体が7施設、介護付きホームと病院の複合施設が1施設の計8施設。エリアは神奈川県4、群馬県2、東京都1、大阪府1となっている。介護付きホームの合計居室数は817室、病院は400床。
取得施設の運営会社は業界最大手のSOMPOケアのほか、プラウドライフ、川島コーポレーション(千葉県君津市)、ベルジ(群馬県高崎市)、シップヘルスケアHDグループのグリーンライフ(大阪府吹田市)で、千里中央病院の運営は医療法人協和会(兵庫県川西市)。
元々これらの施設は運営会社とは別の法人が所有していたため、今回の施設譲渡による運営会社への大きな影響はない。
上場リートに施設を所有させることの運営会社のメリットとしては、施設管理・長期修繕計画を不動産運用のプロに任せることで介護運営に専念できたり、将来の有力な入居者候補である個人投資家などへのプロモーションになったりすることなどが挙げられる。
ヘルスケア&メディカル投資法人はこれまでにベネッセスタイルケア(東京都新宿区)、さわやか倶楽部(北九州市)、アズパートナーズ(東京都千代田区)などの運営施設を取得。今回の8施設を取得することで、病院2施設を含む合計35施設、資産規模は約649億円に達する。
一般社団法人不動産証券化協会によると、J‐リート及び私募リートを含めた保有不動産は4584物件、総額で20兆7513億円(取得ベース)。その内、ヘルスケア施設の割合は0・7%程度とまだまだ小さい。ただ今後は、一定規模以上の医療法人に外部監査が義務付けられたことにより、病院不動産を証券化して資本増強する動きも考えられる。大型施設が多い病院の証券化が進めば、ヘルスケアリートの活性化に繋がるとの期待の声もある。
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