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1年間で257件・35%が訪問介護
取消 大阪府だけで29件
厚生労働省は3月19日、「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」で、2017年度の介護保険サービス事業者に対する指導・監査・指定取消の状況を発表した。指定取消・全部停止・一部停止処分を受けた事業所数は257件で過去最多。2000年度からの累計では2445事業所となった。

「法令違反」が例年より多数
立入検査を行った事業所数は1586件。このうち629件に行政指導に基づく改善報告を、388件に改善勧告を、2件に改善命令を行っている。指定取消処分は169件、指定効力の全停止が38件、指定効力の一部停止が50件。
257件を法人種別で見てみると営利法人が198件で8割弱を占める。以下医療法人が24、NPO法人12、社会福祉法人9。
サービス種別では訪問介護(介護予防含む・以下同じ)が90件で最多。以下、27件の同数で、デイサービス(地域密着型を合わせると39件)・居宅介護支援・第一号訪問事業が並び、次いで認知症グループホームが26件となっている。
指定取消処分の主な事由としては「不正請求」が最も多く、これは例年どおり。ただし全体に占める割合は、ここ数年6~7割程度で推移していたのが5割以下に減少しており、逆に「法令違反」が4割を超え、例年に比べて多くなっているのが特徴的だ。

自治体の指導厳格化の傾向
指定取消件数を都道府県・政令指定都市・中核市別にみると、都道府県では大阪府が29件と都道府県全体の指定取消処分数34件の実に85%を占めている。
大阪府が突出して多いことについて、関西で実地指導対策のコンサルティング業務を手掛けるビー・エム・エル(神戸市)の村上亨代表は次のように話す。
「他の地域に比べると、大阪府は実地指導などの際も厳しくチェックをするようになった、という印象があります。また仮に不正請求が確認された場合、金額自体は指定取消にならないようなものであっても、書類の虚偽記載など他の不正と『併せ技』で指定取消となるようなケースが多くなっています」

政令指定都市では北九州市が13件で最多。以下大阪市(10件)、広島市(8件)など。中核市では、全51件のうち高知市が12件と4分の1近くを占める。以下、神奈川県横須賀市9件、前橋市と愛知県豊田市が8件ずつ。

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