東京都の「町田市医療・介護事業所交流会」の有志で結成された団体「駐車場シェアシステム委員会」(東京都町田市)は5月8日より、訪問介護や訪問診療に従事する事業者に向けた「駐車場シェア」の取組みを開始した。
昨今、人口密集地帯で訪問介護などを提供する事業者にとって、路上駐車の取り締まりが深刻な問題となっている。「『訪問の最中に駐車禁止の取り締まりを受けてしまうかも』と心配になりサービス提供に集中できない」、「東京都の場合、駐車許可証の申請は半年に一度しかできないため、許可証が欲しくてもタイミングが合わなければ半年もの空白期間が出る」、「定期訪問でないため、駐車許可証を発行してもらえない」といった事業者からの声を受けて、町田市内の医療・介護事業者による任意団体「町田市医療・介護事業所交流会」では、約3年前からこの問題の解決に取組んできた。
交流会の下に設置された「駐車場シェアシステム委員会」が音頭をとり、病院や介護事業所、一般企業や店舗などへ駐車場の提供を要請。約60台分の駐車場を訪問系サービス事業所が無料で使用できる運びとなった。昨年秋には町田市の助成金を受けることが決定。
助成金を使用し「駐車場シェアシステム」の開発を行った。駐車場・事業者共に町田市内のみにエリアを限定している。住所を入力すると地図上に使用可能な駐車場が表示され、それを選択するだけで簡単に駐車場の予約ができる仕組みとなっており、操作に不慣れな人もすぐに使用できるという。
同様の取組みは愛知県春日井市が2018年1月に導入した事例があるが、民間主導の取組みとしては全国初とのこと。
今後について、交流会の代表である水野将憲氏は「課題は駐車場を増やすこと。現在シェアされている約60台分の駐車場の大半は、介護事業所などからの提供で、企業など民間の割合が少ない。必要数は300~400台分を見込んでいるため、提供数を増やすべく、自治会などに働きかけて周知に取組む」と語った。
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