テレビ活用した診療
ジュピターテレコム(東京都千代田区・以下:J:COM)は、ケーブルテレビのインフラを活用したオンライン診療や健康相談、バイタルデータ管理などの総合ヘルスケアサービスについて、2021年度に商用化を目指すと発表した。9月より、福岡市、東京都足立区、葛飾区、練馬区で家庭のテレビを活用したオンライン診療の実証実験をする。
J:COMは、1995年に設立された国内最大手のケーブルテレビ事業・番組供給事業統括運営会社。ケーブルテレビ事業は、札幌や仙台、関東、関西、九州・山口エリアの11社71局を通じて約551万世帯にケーブルテレビや高速インターネット接続、電話、モバイル、電力、ホームIoTなどのサービスを提供している。敷設工事が済み、いつでも加入できる世帯は約2161万世帯になるという。
今回はケーブルテレビのインフラを使用し、患者の家庭のテレビ画面でオンライン診療を検証する国内初の実証実験となる。テレビ画面での高齢者向け遠隔医療の有用性を検証するため、慢性疾患を抱える60歳以上の患者を対象に、患者宅のテレビ画面上でのビデオ通話による診察や服薬指導、医療機関の予約や問診などを行う。パートナー企業は2社。オンライン診療サービス事業者のインテグリティ・ヘルスケアとICIN。J:COMが開発する遠隔医療システム(オンライン診療アプリ)と、インテグリティ・ヘルスケアの疾患管理システム「YaDoc(ヤ―ドック)」、ICINのオンライン診療システム「curon(クロン)」を医療機関に提供し連携させる。
東京・福岡で実証実験
地域密着を経営方針とするケーブルテレビ事業者としての実績とノウハウを生かし、機器設置や初期設定、操作説明などにおいては、J:COMスタッフが患者宅を訪問して継続的にサポートする。今回の実証実験は厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づき、通信の暗号化を実施して高いセキュリティのもとで運用する。
福岡市で行う実証実験については、福岡市、九州大学、独立行政法人都市再生機構、福岡地域戦略推進協議会で構成されるコンソーシアム主催の「Smart East PoC Program」(最先端技術や革新的なビジネスモデルなどの導入により、未来に誇れる都市を創造していくためのプログラム)に採択された。
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