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社会福祉法人湘南育成園(神奈川県鎌倉市)の特別養護老人ホーム「ささりんどう鎌倉」(同)では、夜間専従の勤務体制を試験的に導入し、その結果報告会を開催した。

 

 

参加者の評価は2分
実験はマシュウ・カラシュ施設長の主導で、3ヵ月スパンを3回、計9ヵ月にわたり行われ、ベテラン職員6名が参加。実験中は、17時30分から翌朝10時30分まで勤務し、その後丸1日の休日を経て、再び夕方に勤務に入るというシフトを繰り返した。勤務後はアンケート形式で、その日の身体的・精神的な疲労度・ストレス度を10段階で自己評価した。業務や人間関係で生じたストレスについても回答を求め、インタビュー形式でのヒアリングも実施した。

実験結果では、2週目まで疲労を強く感じる職員が多く、4週目から低減する傾向が見られた。これについては、2週目までの疲労感は慣れない勤務体制であることが原因であり、4週目には慣れによって改善されたと調査の担当者は分析している。参加者からも、「慣れれば生活リズムが一定で楽」という感想が寄せられている。
メンタル面では、勤務に変化がないため飽きが生じ、モチベーションが低下するという
職員が見受けられた。これに関しては、レクリエーションなどに参加する機会がなく、入居者との交流が減ったことが影響していると見ている。さらに、「2連休がなく、休日でもラックスできない」という意見もあり、それもモチベーション低下を招く要因であったと考察。

 

調査後の、「夜勤専従の体制を実際に導入したいか」という質問に対しては、職員の間で意見が分かれた。肯定的な感想として「子どもと過ごす時間が増えた」「委員会や行事などの業務負担が無くて楽」といった声が聞かれた。反対に、「プライベートの時間が減った」「通常の勤務体制の方が体調は良かった」と、職員の負担軽減には逆効果とする声も挙がる。
「この実験は職員のQOL向上のために実施しました。あくまでパイロットスタディです。参考程度に考えてください。今後は生体センサーを使ったより詳細な実験も実施予定です」(カラシュ施設長)

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