認定者数 要介護1,2で約4割
厚生労働省は8月30日、「平成29年度介護保険事業状況報告(年報)」を公表した。介護保険事業の実施状況について、市町村などの保険者からの報告数値を集計し、毎年発表しているもので、被保険者数や給付額などの年次推移が把握できる。すでに報道があったように、保険給付費用額で初めて10兆円を超えた。
報告書によれば、介護保険の第一号被保険者の数は対前年度で約47万人増の3488万人。うち、75歳未満の前期高齢者が1746万人、75歳以上の後期高齢者が1742万人でほぼ半々の割合。75歳以上がはじめて1700万人を突破した。第一号被保険者のうち要介護(要支援含む)認定者数は対前年度で約9万人増えて641万人。認定をうけた人のうち、75歳未満は74万人で75歳以上が555万人。最も人数が多いのは要介護1で全体の約20%。次いで要介護2の17・5%で、この2分類だけで4割近い。なお、現在社会保障審議会介護保険部会で議題にあがっている次回改定における論点の「軽度者の総合事業への移転」では、この分類が対象になると認識されている。
第一号被保険者に占める要介護(要支援)認定者の割合は18・0%で昨年度と同じだった。また、サービス受給者数(1ヵ月平均)は553万人で対前年度7万人減少した。平均受給者数が前年度より減ったのは制度が始まって以来初めて。
保険給付の費用額は対前年度で2285億円増の10兆2188億円。利用者負担を除いた給付費は対前年度で2154億円増の9兆4443億円となった。保険者の保険料収納額は対前年度436億円増で2兆1866億円。収納率は昨年より0・1ポイント改善し98・8%となった。
今後、社保審での介護保険の次期改定議論において、検討材料となる。
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