プロ役者・脚本家起用
クリーク・アンド・リバー(東京都港区)では昨年12月より、法人の創業エピソードや想いを演劇化する「企業史演劇」を提供している。その第1弾として、東京都を中心に病院や高齢者施設を展開している医療法人社団桐和会(東京都江戸川区)の企業史を演劇化した。
演劇の制作は社長や創業者などへの取材から始まる。創業に至った当時の志や出来事、悩みや苦境に陥った際に貫き通した信念といったことを、脚本家などが2時間かけてヒアリングを行い、台本の作成やスタッフの選定を行う。
桐和会のケースでは総合演出に、介護漫画「ヘルプマン」の舞台化を手掛けた、なるせゆうせい氏が起用された。演劇では文学座所属の劇団員などプロの役者で、なおかつ実際の人物の身長、体重に近いという条件でキャスティングがされる。背景美術も実際の舞台演劇などで使用するものを用い、そのエピソードの時代背景に則したものを準備する。細部までこだわることで臨場感を増幅し、観覧者の感情移入を呼び起こすのが狙いだ。
理念浸透に効果
演劇は撮影され、発注者にはその動画が提供される。それは自社の全体研修の場や就職説明会、そのほか企業PRの場で自由に公開が可能となる。依頼から納品までの期間は3ヵ月から6ヵ月ほど。
藤澤恵太部長は演劇の効果について、「企業の理念を言葉でなく演劇で伝えることで迫力やリアリティが増し、新入職員の教育などでより心に響くだろう。本当に介護をやりたいと思い入職した人も、日々トラブル対応などに追われる業務の中でその気持ちが薄らいでしまう。そこで、この演劇を観てもらうことで最初の熱い気持ちを呼び起こしてもらい、離職防止につなげて欲しい」と語る。
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow @kj_shimbun