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口コミで満室経営
さんわ(東京都練馬区)が運営する都内で最も古い住宅型有料老人ホームのひとつである「シルバーヴィラ向山」(同・117床)は、入居面接は行わず誰でも受け入れており、口コミだけで満室が続いている。岩城隆就社長に話を聞いた。

 

---施設の特徴は。
岩城 入居に関しては、誰でも受け入れることが基本です。面接は行いません。そのためか、認知症などで問題行動があるからと他施設から追い出された人もいます。しかし、うちの施設に来ると不思議と問題行動は起こりません。

 

 

---問題行動が起こらない理由とは。
岩城 問題行動があっても、他人に危害を加えることはありません。「ここでは自分で自分を守らなくても生きていけそうだ」と思えば、問題行動を起こさず穏やかになります。当ホームでは規則でしばるのではなく、その人らしさを大切にする運営を心掛けています。例えば、門限はありませんし、外出・外泊も自由です。飲食、喫煙、ペットも可にしています。「我が家」のように自由に安心して暮らせるようにしています。

 

 

---ほかに特徴は。
岩城 開設から39年目になりますが、広告宣伝は行っておらず、口コミだけで満室が続いています。親子2代で入居したのが15組、兄弟や親族が入居している例も50組以上あります。

 

 

---それほど利用者から支持されている要因は。
岩城 一番の要因は、職員の介護力が高いからだと思います。職員の4割は10年以上勤務しており、20年を超える職員もいます。職員は、利用者のことをよく理解して、入居してから亡くなるまでケアしていますので、本人も家族も安心できるのだと思います。

 

 

---職員の勤務年数が非常に長い理由は。
岩城 給料が他の施設に比べて良いということもあるでしょうが、職員が、「自分で受けたい」と思える介護を行っていることが大きいと思います。給料をもらうためには少々のことは仕方がないと我慢しながら行っているのでは長続きはしません。自分でも受けたいような介護をしていると、心は痛みませんし、利用者や家族から喜ばれ、感謝されることによってやる気も湧き、長く勤務するようになるのでしょう。引退した職員が利用者になった例もあります。

 

 

---利用者や家族から支持され、職員が長く勤務するような職場風土を、どのようにつく
っているのか。
岩城 老人ホームというのは一つの「社会」です。入居者も、通って来る家族も、そして職員も、さらには周りの地域も含めて一つの「社会」を構成していのです。それぞれの施設がどういった「社会」をつくりたいのかが、実は問われています。私は、多様性が尊重され、弱者が排除されることのない「社会」にしたいと思って運営しています。ですからここでは、障害者も長く朗らかに働いています。

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