アサヒグループ食品(東京都渋谷区)は11月5日、「介護食」に対する意識調査の結果を発表。介護用レトルト食品を購入したことのある人の継続率は7割と高い一方、認知度の低さも明らかになった。
同社では、介護にまつわる実態や意識の変化を把握するため、2016年より、11月11日の「介護の日」に合わせて「介護定点調査」を実施している。対象者は、同居家族に要介護認定者をもつ全国40~70代の男女531名。
今回の19年調査における質問項目は「介護食・調理に対する意識」「被介護者のために購入している加工食品」「介護用レトルト食品の購入経験」など(複数回答可)。
「介護食・調理に対する意識」として最も高かったのは「食事を楽しんでほしい」が75.1%、次いで「食事はできるだけ手作りの方がよい」が62.1%となった。
また、被介護者への食事として、なんらかの加工食品を利用している人は8割にのぼるにもかかわらず、介護用レトルト食品の購入率は約2割にとどまるとした(図参照)。
ほとんどの人がスーパーなどの店内調理総菜や冷凍食品などを利用しているものの、「介護用」と銘打ったパウチ食品などには手が伸びていないのが現状のようだ。
「介護商品(食事タイプ)認知浸透状況」の調査では、68.9%もの人が介護用レトルト食品の存在を知らないという状況だった。一方で購入経験者においては、継続購入している人は7割以上と高いリピート率が判明。そうした食品をうまく活用していきたいと考える人は16年より増加傾向にあるという(図参照)。
同社の展開する介護食「バランス献立」は、「やわらかさ」と「食べやすさ」に配慮した全35品のシリーズ。製造後1年6ヵ月の保存期間や、パウチのまま常温ですぐに食べられることなど、非常食にも有用だ。
鶴巻温泉病院栄養サポート室の髙﨑美幸室長は「在宅介護の食事の難しさの一因に、本人の意思が汲み取りにくいことが挙げられる。食事作りの努力が報われる日ばかりではないため、介護食品に助けてもらって時間をつくり、自分自身を労ってあげてほしい」とコメントしている。
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