千葉県松戸市で特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人永春会は働きやすい環境づくりに注力。特養「秋桜」では、スタッフが時間的制約で辞めないように週休3日制や夜勤なしの正社員制度などを導入している。吉岡俊一理事長に話を聞いた。
――法人概要は。
吉岡 松戸市で特別養護老人ホームやショートステイなどを展開しています。このうち特養秋桜では勤務体系を整えることで働きやすい環境づくりをしています。
―― 勤務体系の詳細は。
吉岡 4つの正職員の勤務体系があります。具体的には、夜勤などがある通常勤務、週休3日制にして1日10時間勤務の休日増加型、特定の日を休日に指定する休日指定型、夜勤などを行わない時間帯指定型です。
――これらの勤務体系の反応は。
吉岡 子どもや家族がいるスタッフに特に好評です。例えば土日祝を休み、平日は朝から夕方まで勤務する働き方ができるため、子どもの面倒を休日に見たい、夜は自宅で晩ご飯を作りたいなどの要望に応えられます。その他には資格勉強のための時間が欲しいと相談された際に、働く環境を変えずに時間を確保できると好評です。
――どのように利用しているか。
吉岡 大体95% のスタッフは通常勤務から始めています。その後、面談時などに希望を聞いて、働き方を変えたいといった場合にはその人に合った勤務体系を提案しています。基本給は、どの選択制の正職員も通常の正職員と変わりなく、年に2回のボーナスの額で差をつけています。
――4つの勤務体系を始めたきっかけは。
吉岡 雇用形態が合わないといった事情で辞める人がこれまで多かったからです。今では常勤全体の1割ほどが制度を利用しています。他にもテレワークやスタッフ専用バスの運行などを行った結果、直近5年の離職率は10%未満まで減少しました。
――今後の展望は。
吉岡 都内で聴覚障害児に特化した施設を計画して、3年以内に開業を目指しています。高齢者施設の他に保育園や障害者施設も運営しているので、「永春会グループに相談すれば何とかなる」と評価してもらえるような事業の展開を目指していきます。
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