第7次医療計画中間見直し
厚⽣労働省は15日開催の「医療計画の⾒直し等に関する検討会」で、第7次医療計画の中間⾒直しについての⽅向性を公表した。検討項目の1つである在宅医療に関しては、新たに歯科診療の推進を強化する方向で、第8期介護保険事業(支援)計画との連携を強化していくことも盛り込まれた。
第7次医療計画の事業期間は2018年度から23年度までの6年間。21年度から後半期間に入ることから、厚労省は有識者による検討会を立ち上げ、中間見直しの内容を議論してきた。
見直しの方向性で、在宅歯科医療の提供に関し、「近年、口腔ケア(口腔健康管理)が誤嚥性肺炎の発症予防につながるなど、口腔の健康と全身の健康との関係について指摘されている」として評価。その上で在宅歯科医療を推進するため、自治体が作成する医療計画に記載する事項や指標などの見直しに関し、数値目標の指標例を追加することが提起された。
医療・介護連携 明確化
具体的な指標例については、昨年9月6日開催の在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループでの議論を通じて、
▽訪問口腔衛生指導を実施している診療所・病院数
▽在宅で活躍する栄養サポートチーム(NST)と連携する歯科医療機関数
▽歯科衛生士を帯同した訪問歯科診療を受けた患者数
▽訪問口腔衛生指導を受けた患者数
---が示された。
ただし、「訪問口腔衛生指導を受けた患者数」に関しては、診療報酬の訪問歯科衛生指導料の算定件数で評価する場合、「介護保険との給付調整に留意する必要がある」と付記されている。
議論の過程で、継続検討になった項目では「在宅歯科医療に関する連携拠点数」がある。
また、診療報酬項目の算定状況はNDBからのデータ収集が容易であることから、「歯科疾患在宅療養管理料(NST等連携加算を含む)」「NST加算」の「歯科医師連携加算」「診療情報提供料」なども、都道府県の状況に応じて今後の指標例として想定されている。
今回の検討会では、病床の機能分化・連携に伴う「介護施設・在宅医療等の追加的需要」に対応するため、21年度にスタートする第8期介護保険事業(支援)計画との整合性確保も議論の課題になった。この点に関し、在宅医療の整備目標がすべての都道府県で設定されるように促すほか、療養病床の患者等が退院後に受けた在宅医療、介護サービスの状況について国保データベース(KDB)を用いて集計し、都道府県や市区町村に提供していくことが挙げられている。
検討会としての見直し方針のとりまとめが完了次第、厚労省は都道府県に対して通知を発出する見込み。
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