自室を容易に認識可能
トラストリレーション(大阪府和泉市)が運営するサービス付き高齢者向け住宅「ゆかりの郷 逢喜苑」(同泉大津市)では、入居者の居室のドアを自宅のドアと同じデザインにするプロジェクト「MYDOOR---まいどあ」プロジェクトに取組んでいる。同社によれば「国内初の取組みではないか」という。
デンマークの手法を日本で
このプロジェクトは入居者の自宅のドアを写真撮影し、インクジェットを使ってシートの形状で印刷し、サ高住の居室のドアに貼り付けるというもの。高齢者住宅は、同じ形のドアがいくつも並ぶため、入居者が間違えて他人の居室に入ってしまうケースが少なくない。居室ドアの脇に写真や小物を置くスペースを設けるなどして、居室の区別がつきやすいようにしているケースもあるが、当人が認知症などの場合には、その小物自体が誰のものか理解できないこともある。
それに対し、長い間慣れ親しんだ自宅のドアであれば「自分の家だ」と認識しやすいというメリットがある。また「我々も、例えばニュータウンなど同じような家が並ぶような場所では、特徴のある家を基準にして目的の家の場所を把握します。これと同様に、本人だけでなく、他の居室の入居者も『自分の部屋は○○のドアの隣』などと認識できます」(田井大介社長)という。
このほか「入居者が『自宅にいる』と思い帰宅願望が無くなる、軽減される」「自宅のことを思い出し、よく話すようになる」などといった効果が期待されている。
この手法は、デンマークですでに導入されている。それを知った人が、日本でも実施できないか考えていたところ、田井社長と知り合い導入に至った。1月25日現在で、2室で実施済み。先月末までクラウドファンディングを実施しており、集まった資金を使い、今後も実施する部屋を増やしていくという。
「ゆかりの郷逢喜苑」は2015年の開設で、居室数は30。
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