「三陸おもてなしレンタカー」を運営する東北(岩手県陸前高田市)は、自社で所有するEV(電気自動車)を用いて、同市内における高齢者向けの送迎サービスの実証実験を4日から始めた。地域住民の新たな移動手段として、活用が期待される。
SDGsも見据えEV(電気自動車)活用 岩手県
実験が始まったのは、陸前高田市の中心部から10キロほど離れた山間にある横田町だ。バスは平日で1日5便と多くはなく、特に高齢者は運転免許証の返納などで移動が難しい人が多くなっている。
このため、去年8月から、住民の有志や市などが新たな移動手段の協議を続け、この地区と中心部を結ぶ乗り合いの車を住民主体で運行することになった。この実証実験は「三陸おもてなしレンタカー」が所有するEVを活用している。
「三陸おもてなしレンタカー」とは、陸前高田市を訪れる観光客やビジネスマンへ二次交通手段や地域住民の交通課題解決のためレンタカーを提供することで移動の自由度を高め、市内の周遊を図るサービス。環境へも配慮し、車種にはEVを採用している。
また、災害時にはEVなどを非常用電源とし、市や避難場所などへEVなどを開放することで電源の確保とBCPへの一助となることを目指しているという。
陸前高田市は「SDGs未来都市」に県内で初めて選定された地域でもある。環境にも配慮したEVによる実証実験は、高齢者の市内移動の手助けになるだけでなく、SDGs推進にふさわしい手段になるだろう。
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