スポンサーリンク

 

 

第8期介護保険事業計画 指針案

 

2月21日に都内で開催された社会保障審議会介護保険部会にて、厚生労働省は第8期介護保険事業(支援)計画(2021年度〜23年度)の基本指針策定に向けた見直し案を提示した。同案で、特定施設入居者生活介護の指定を受けていない有料老人ホームとサービス付き高齢者住宅の入居定員総数などを新たな記載項目として盛り込む方針が明らかになった。

 

 

今回の部会で示された見直し案は19年末に取りまとめられた「介護保険制度の見直しに関する意見」を踏まえて作成。「記載を充実する事項」として挙げられたのは、

 

①25・40年を見据えたサービス基盤と人的基盤の整備
②地域共生社会の実現
③介護予防・健康づくり施策の充実・推進(地域支援事業等の効果的な実施)
④有料老人ホームとサービス付き高齢者住宅に係る都道府県・市町村間の情報連携の強化
⑤認知症施策推進大綱等を踏まえた認知症施策の推進
⑥地域包括ケアシステムを支える介護人材確保及び業務効率化の取組の強化

 

 

①について、団塊世代が75歳以上を迎える25年に加え、現役世代が急速に減少する40年を想定し、それぞれのサービス需要の見込を踏まえ、施設、居住系、地域密着型の各サービスをバランス良く組み合わせて整備することがポイントとされた。

 

その上で、④について住宅型有老及びサ高住の設置状況を記載し、さらに整備に当たってはこれを勘案して第8期計画を策定していく方向性が提起された。

 

 

2040年の介護需要も想定

 

 

新規の記載項目案としては、介護現場における業務仕分けやロボット・ICTの活用、元気高齢者の参入による業務改善などを通じた介護現場革新の具体的な方策(都道府県、市区町村)、保険者機能強化推進交付金などを活用した一般会計による介護予防等に資する独自事業(市区町村)なども挙がっている。

 

 

基本指針は、都道府県と市区町村が3年を1期とする介護保険事業(支援)計画をそれぞれ作成する際のガイドラインの役割を果たす。厚労省は3月に開催する課長会議にて第8期計画に関する基本的考え方を提示、法案提出・審議に取りかかる。6月頃には基本方針案を地方自治体側に提示する見込み。

 

 

21日の議論では、20年度当初予算分から支援メニューが拡充される予定の「地域医療介護総合確保基金」について、複数の委員が意見を表明。井上隆委員(一般社団法人日本経済団体連合会常務理事)は「都道府県によっては、このような基金が認知されておらず、十分に活用されていない。活用推進を促す策を実施する必要がある」と述べ、まず基金の存在を周知することから取り組むべきだと指摘した。

 

20年度当初予算案に計上されている地域医療介護総合確保基金(介護分)は824億円となっている。

 

 

 

この記事は有料会員記事です。
スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう