「Deasy Conference Vol.2」
国土交通省水管理・国土保全局下水道部と下水道と住宅関連の女性エンジニアらによるDeasy実行委員会(委員長=園田眞理子明治大学教授)、ロフトワーク(同渋谷区)は2月4日、「Deasy Conference Vol.2下水道への紙オムツ受入れに向けた連絡会議」を開催した。オムツやトイレ、住宅などのメーカー、介護福祉従事者など約100名が参加した。
この会議は国土交通省が進める、「Deasyプロジェクト」の一環として開催された。同プロジェクトでは、排泄に関する問題を「オムツ(Diaper)をより容易(easy)に扱える」社会の実現により解決を目指している。
その具体策として、使用済みの紙オムツから水分や汚物を分離させる「紙オムツディスポーザー」を家庭に設置することによる、使用済み紙オムツ処分の負担軽減を提案しており、今回の連絡会では計画の進展状況の報告が行われた。
開会の挨拶にて、園田教授は、「インフラのネットワークに、どのようなサービスを載せられるかが、これからの時代の鍵となる。下水道というインフラに紙オムツディスポーザーといったサービスを載せることで、下水道の付加価値が向上する」と述べ、下水道への紙オムツ受入れのサービスを提供するビジネスモデル「下水道as a Service」を提唱した。
また、今後の日本では地方自治体にも経営戦略が必要となることに鑑み、「このプロジェクトは地方自治体の経営戦略として、試金石の1つになりえる」との見方を示した。
同じくコアメンバーの国土交通省水管理・国土保全局下水道部下水道企画課下水道国際・技術調整官の阿部千雅氏は、現在考案されている3タイプの紙オムツディスポーザー(A:固形物分離型、B : 破砕・回収型、C:破砕・受入型)の相違点を解説した。また行政では下水処理施設における対応や費用面について検討を進める一方、パナソニックやLIXILなど民間でも試験機の開発が進むなど、官民協力のもとで計画が進んでいることが語られた。
当日に実施されたワークショップでは、「60代元気高齢者」などの排泄に課題を抱える架空の人物像を設定し、それに対しメーカーや介護職員など各々の知見からどのように解決するかといったアイデアを出し合った。
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