聴力・視力が衰えても使用可能
身の周りには、音声で開始・終了を知らせる便利な機器が多い。しかし、年齢を重ねると高い音が聞こえづらくなり、便利さが失われる。電子体温計もその1つだ。
その不便さを解決した電子体温計がシチズン・システムズ(東京都西東京市)より発売された「振動式体温計CTEB720VA(アタッチメント付属)」だ。触って分かる小さな凸の付いた電源ボタンを押すと、「ピポ」の音と共に振動が手に伝わる。脇に挟み約30秒すると、4回の電子音と共に4回の振動が脇に伝わり、検温の終了を知らせる。
体温を示す1つの数字の大きさは、縦1センチ、横0.5センチと大きく見やすい。計測値を見終わった後、電源ボタンを押すと長い「ピー」という音とともに、振動が一度手に伝わり液晶画面から数字が消え電源オフになったことを知らせてくれる。
さらに、脇の下に体温計をはさみにくい痩せ型の人は、本体に付属品の「ぴたッチメント」を装着し、身体にフィットさせることができる。
一方、数字が読みづらい弱視や全盲の人には、計測値の読み上げ機能がついた「音声付電子体温計 MC - 174V けんおんくん」という体温計がオムロンヘルスケア(京都府向日市)から販売されており好評だ。電源を入れると「ピッ」というブザー音の後に「測ってください」のメッセージ、体温計を脇に挟むと「ポン」というブザー音の後に「測っています」のメッセージ、温度上昇がほとんどなくなると「ピポピポ」と3回ブザーが鳴った後「36度5分です」と体温を音声で知らせてくれる。
日常の健康管理に役立つ体温計、誰もが使えるように日々進化していることを嬉しく思う。
星川 安之氏(ほしかわ やすゆき)
公益財団法人共用品推進機構 専務理事
年齢の高低、障害の有無に関わらず、より多くの人が使える製品・サービスを、「共用品・共用サービス」と名付け、その普及活動を、玩具からはじめ、多くの業界並びに海外にも普及活動を行っている。著書に「共用品という思想」岩波書店 後藤芳一・星川安之共著他多数
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow @kj_shimbun