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25名定員で赤字5割超

独立行政法人福祉医療機構(東京都港区/以下・WAM)は3月31日、貸付先(登録者)に対して行った「2018年度 小規模多機能型居宅介護事業の経営状況について」の調査結果を報告した。サービス活動収益の減少や人件費の増加などにより赤字施設の割合が拡大。中でも25名定員の赤字施設の割合は5割を超えている。利用者の要介護度が低下傾向にあることや、人員配置基準を要件とする加算算定率の低さも要因だ。 

 

 

加算算定に課題も

調査対象は、開設後1年以上経過している862施設。開設主体は社会福祉法人が94.8%、医療法人が3.9%で、そのほか社団法人、営利法人などが1.3%。なお、黒字施設は502施設、赤字施設は360 施設だった。

 

 

  登録者における要介護度の平均は、17年度の2.15より0.06ポイント低下の2.09。 要介護度が高いほど黒字施設が多い。要介護度の高さと関係する医療的ケアの実施項目は、1施設あたり黒字施設が5.2項目、赤字施設が4.6項目だ。

 

 

サービス活動収益対サービス活動増減差額比率は3.4%17年度より0.7ポイント低下。登録者11月あたりのサービス活動収益の減少や、従業者1人あたりの人件費が5万円増加したことにより、人件費率が1.0ポイント上昇したことなどが要因である。なお、赤字施設の割合は17年度から0.5ポイント拡充し、41.8%となった。

 

 

登録者11月あたりサービス活動収益は、黒字施設が234516円、赤字施設が217918円と、黒字施設が16598円高い。赤字施設では、従業者1 人あたりのサービス活動収益が年間1003000円低く、人件費は黒字施設に比べて年間114000円も上回る。

 

 

黒字施設と赤字施設を比較すると、登録率は黒字施設が86.9%、赤字施設が74.6%と大きな差がみられた。単価に影響しているのは、要介護度と様々な加算算定状況。訪問体制強化加算及び総合マネジメント体制強化加算、認知症加算(Ⅰ)及び(Ⅱ)も含め、黒字施設の加算算定率が赤字施設を上回っている。

 

 

小規模多機能は、15年度の介護報酬改定で定員の上限が25名から29名に引き上げられて以降、25名定員、29名定員の施設が主である。それぞれの赤字割合は、25 名定員が50.7%29名定員が29.7%と明らかな差がある。要介護度は29名定員が0.03上回っている。

 

25人定員では、赤字施設の割合が5割を超え、経営状況の厳しさがうかがえる。

 

 

18年度の介護報酬改定で新設された加算の算定状況は、若年性認知症利用者受入加算が6.7%、栄養スクリーニング加算が4.3%、生活機能向上連携加算(Ⅰ)3.5%、生活機能向上連携加算(Ⅱ)1.6%。いずれも加算の算定率は低い。

 

 

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