第2次補正予算の成立を受けて厚生労働省の新型コロナ対策の関連事業が本格的にスタートした。追加額は雇用対策などを含めて総額4兆9733億円と過去最高の規模となり、介護関連では新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(4132億円)などが際立つ。第2波の到来が懸念される中、これらの緊急支援策を効果的に活用した経営基盤の強化は各事業者の急務だ。

 

 

 

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新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)は、感染症対策に必要な物品購入や研修などのかかり増し費用への支援などに加え、介護施設・事業所に勤務する職員に支給する慰労金の原資を含む。

 

 

 

厚労省「次の波に備える」

 

慰労金は、①新型コロナ感染症が発生または濃厚接触者に対応した施設・事業所に勤務し利用者と接する職員に対して1人当たり20万円、それ以外の事業所に勤務し利用者と接する職員には同5万円を支給する。
このほか、サービス再開に向けた支援で、ケアマネジャーや介護サービス事業所を対象にアセスメントやニーズ調査、調整などに関する費用を助成する。

 

 

 

介護分野における効果的な感染防止などの取り組み支援事業としては2億3000万円が計上された。具体的には、①介護事業所の感染防止のための相談・支援事業、②感染対策のマニュアル提供や専門家による研修など感染症対応力向上事業、③介護サービスの類型に応じた事業継続計画(BCP)作成支援事業、④職員のメンタルヘルスに関するセルフケアのためのガイドライン作成や専門家による相談支援、などが対象になる。

 

 

 

このほか、2次補正予算には医療・福祉事業に対する無利子・無担保などの危機対応融資の財政融資資金として1兆3200億円が含まれている。融資の実施主体は独立行政法人福祉医療機構(WAM)で、同機構は6月15日から拡充後の新たな優遇融資を受け付けている。

 

 

 

第2次補正予算の事業開始に伴い、介護事業者への支援では当初予算事業や第1次補正事業の拡充も行われている。
特にICT導入の加速化支援、地域医療介護総合確保基金を活用した介護ロボット支援は、予算総額に変更はないものの、対象の拡大や補助額の引き上げを実施。ICT導入では、①補助上限額の引き上げ、②Wi─Fi購入・設置費など補助対象機器の拡充、③勤怠管理・シフト表を作成するための介護ソフト購入の承認、などが目玉となっている。第2波が懸念される中、介護事業者には支援策を活用した経営基盤の強化が急務だ。

 

 

 

次期報酬改定にも影響

 

6月22日に首相官邸で開かれた経済財政諮問会議に出席した加藤勝信厚労大臣は、「次の波に備えた介護・福祉サービス提供体制の整備」と題して、医療介護分野での今後の新型コロナ対策を説明した。

 

PCR検査と抗原検査を組み合わせた検査体制の強化、保健所の即応体制整備、介護職員などの応援派遣に関する支援・提供体制の確保、高齢者施設におけるオンライン面会の推進など補正予算関連事業に加え、21年度の介護報酬改定を通じた感染症への対応力強化に言及している。

 

 

ICT導入の加速化支援

 

 

 

 

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