介護労働実態調査 外国人採用は前年比2倍超
厚生労働省が所管する公益財団法人介護労働安定センター(東京都荒川区)はこのほど、毎年10月に実施している「介護労働実態調査」の2019年分の結果を公表した。回答した全国9126事業所のうち、介護職員の不足感に関して「大いに不足している」「不足している」と答えた事業所は69.7%にのぼり、同調査では過去最悪の結果となった。
今回の調査では、従業員全体の不足感は全体で65.3%で18年度(67.2%)よりも低下したが、介護職員7職種(訪問介護員、介護職員、サービス提供責任者、看護職員、生活相談員、介護支援専門員、PT・OT・ST など)に関しては69.7%の事業所が不足感を訴えた。特に訪問介護員については、依然81.2%が「不足」と回答。4年連続で8割超という深刻な状況が続いている。
職員不足の理由では「採用が困難である」と回答した事業所が90.0%だった。具体的な理由としては「同業他社との人材獲得競争が厳しい」が57.9%、「他産業に比べて労働条件等が良くない」が52.0%、「景気が良いため、介護業界へ人材が集まらない」が40.9%だった。
外国籍労働者を受け入れている事業所は、18年の2.6%から6.6%に増えた。外国籍労働者の働きに関する評価では、受け入れている事業所の方が「職場に活気がでる」「利用者が喜んでいる」などの評価が受け入れていない事業所よりも高く、受け入れに伴う不安感は低いことが判明した。
採用時研修について、「受けた」との回答は正規職員が48.9 %、非正規職員が39.7%で、いずれも半数を下回った。内容別には「安全衛生研修」が最も多く、正規職員が69.6%、非正規職員は70.1%だった。
調査の実施が昨年10月時点で新型コロナ禍前だったこともあり、報告書では「介護業務においては必要不可欠な研修であるため、介護業務に従事する前に研修を実施することが重要」と強調している。
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