スポンサーリンク

 

 

 

18年から旅行業も開始

 

訪問介護事業や介護職員実務研修事業を手掛けるケアサービスひかり(東京都羽村市)は、2004年に介護タクシー事業にも参入。「透析クリニックからの委託が売上高の7割を占めているのが当社の強み」と語る粕谷正幸社長に話を聞いた。

 

ケアサービスひかり 粕谷正幸社長

 

 

 

―――介護事業所で介護タクシー事業を始めても撤退しているところも多い。御社がうまくいっている要因は。

粕谷 介護タクシーといえば、通院に利用してもらうという考え方が一般的だが、当社は通院だけではなく、透析を行っているクリニックと提携して、透析患者の送迎を委託されている。透析は週3回行うので、当社に委託する患者が10名いれば、送迎回数は週に60回、月に240回となり、固定的な売上が確保できる。月100万円~150万円の介護タクシーの売上高のうち、透析クリニックからの委託が7 割を占め、これが当社の強みとなっている。

 

 

―――「透析クリニック市場」はどう開拓したのか。

粕谷 介護タクシーを自分たちで持つ医療機関も多いが、外部に委託した方が安いし、リスクも少ない。また、当社の介護タクシーの運転手は福祉資格を持っており、透析患者に対する乗車・降車介助や、家の状況に合わせて玄関の上やベッドの近くまでの移動介助も行う。また、当社は介護事業を行っているので、透析を必要としている利用者から「どこか良いところを紹介してくれないか」などと依頼を受けることもしばしばあり、透析クリニックに当社が患者を紹介できるメリットがある。

 

 

―――売上高の3割の通院は、病院からの依頼が多いそうだが、同業他社と差異化できている点は。

粕谷 当社の運転手は介助ができるという点が大きい。それに加え、同業他社では、車椅子だけ入る軽自動車を使っているところも多いが、当社は、軽自動車では病院からの依頼はないだろうと考えて、事業スタート当初からストレッチャーが入るワゴン車を用意した。その結果、近隣の病院はまず当社のワゴン車が空いているか、確認することが多いようだ。当社は居宅介護支援事業や訪問介護事業なども行っていることから、介護タクシーを利用した利用者や家族からは、いずれは居宅介護や訪問介護もお願いしたいとのことで当社を選んでくれる人も多い。

ストレッチャーも入るワゴン車両を使った介護タクシー

 

 

―――今後の方針は。

粕谷 介護タクシーを行っていると、お墓参りや芝居の観劇などに行くだけでなく、子供が親を泊まりの旅行に連れて行きたいという声も多い。そこで18年に旅行業も始めた。介護タクシーは、具合が悪くなってからのサービスだが、今後は具合が悪くなる前の想い出づくりの支援についても、力を入れていきたい。

 

 

 

この記事は有料会員記事です。
スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう