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プログラム提供開始 社会実装目指し研究

 

SOMPOホールディングス(東京都新宿区)はこのほど、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)およびスウェーデンのFINGERS Brain Health Institute(以下/FBHI)監修の下、認知機能低下の抑制に有効な「SOMPOスマイル・エイジングプログラム」(以下/SSAP)を開発。7月10日より、SOMPOケアが運営するデイサービスやサービス付き高齢者向け住宅などで、試行的にサービス提供を開始している。

 

 

 

同プログラムは、日本における認知症発症リスクの減少を目指すもの。世界で初めて認知機能低下抑制効果を実証した高齢者の生活習慣への介入研究「FINGER研究」をベースとした、FBHIが公認する「FINGER研究の全国規模の社会実装プログラム」となる。SOMPOグループは国立長寿医療研究センター監修の下、日本人の特性に合わせたプログラムを開発。SOMPOケアの利用者に対し6ヵ月間試行的にサービス提供を行った後、全国へ順次拡大していく予定だ。

 

 

 

「本来であれば、4月より展開予定だった」とSOMPOケア認知症プロジェクト推進部の矢野功執行役員は話す。対面などで行う予定だった運動や栄養指導などについて、ウィズ・コロナにも対応できるよう、オンラインを活用し非接触で自宅からも参加できるよう作り替えたという。

SOMPOケア 矢野功執行役員

 

 

6ヵ月間を1セットとする同プログラムの内容は、
①運動
②栄養指導
③認知機能訓練
④社会参加
の4つのサービスプログラムにより構成されている。

 

①運動においては、SOMPOケアの介護予防運動指導員などの専門資格を有する社員が指導を実施。
②栄養指導では、管理栄養士および日本最大規模の保健師・看護師・管理栄養士のネットワークを有するSOMPOヘルスサポートが連携し、サービスを提供。
③認知機能訓練では、トータルブレインケアの認知機能別トレーニングツール「CogEvo(コグエボ)」を使用。
④社会参加においては、プログラム全体を通じて参加者同士の交流を図る仕組みを構築している。健常者からMCI、認知症と診断された人まで、幅広く対象とする。

 

 

国立長寿医療研究センターの荒井秀典理事長によると、認知症予防には、生活習慣病など将来の因子に働きかけるリスクファクターからのアプローチと、運動や食事などによる防御ファクターによるアプローチの2つがあるという。後者のアプローチにおいて効果が実証されたFINGER研究をベースに、日本人の特性に合わせた認知症のメカニズムに迫る研究として展開しているのが、国立長寿医療研究センターが率いる「J - MINT」研究だ。

 

国立長寿医療研究センター 荒井秀典理事長

 

 

 

「これは、薬物を使わない多因子にわたる介入により、認知機能障害の進行を抑えられるかを検証する研究。FINGER研究を踏襲しながら、コグニサイズやグループワークを取り入れた運動や疫学研究による栄養指導など、日本独自の方法としている」(荒井理事長)。週1回のコースを1年半かけて行い、細かい測定スコアを用いてアウトカム評価する。

 

 

 

SSAPの試行開始から1ヵ月後の利用者の反応はよく、現在の参加者のリピート率は非常に高い。運動プログラムに加え、座学でもQ&Aパートやチーム対抗など、双方向性と社会参加を意識した仕様としていることが奏功しており、最も重要な「習慣化・定着」といった効果はすでに出ているという。

 

 

 

「FINGER研究の全国規模での社会実装を視野に入れて行うことは世界初の取り組みであり、日本独自の研究の特徴。J - MINT研究のエビデンスが約1年半で検証できるため、SSAPがこの受け皿となり、より信頼性の高いメニューとして、他社への提供含み広く展開していきたい」(矢野執行役員)

 

 

 

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