ロングライフホールディング(大阪市)は、中国・青島で約3000室の高齢者住宅の運営を行う。2020年に着工し、25年のオープンを目指す。同社が海外で高級・大型高齢者住宅を運営するのは3例目、中国では2例目となる。また完成すれば、中国で日本の介護サービス事業者が運営に関与する高齢者住宅としては最大規模になる見込みだ。
総面積約500万坪 ゴルフ場なども
事業名は「小蓬莱プロジェクト」。青島の海沿いにテーマパークやゴルフ場などを備えた大規模リゾートコミュニティを造るもので、計画面積は約500万坪。そのうち、約100万坪が病院・高齢者住宅などのヘルスケア関連ゾーンとなる予定。
なお、青島では、2011年よりロングライフと地元企業との合弁会社である新華錦(青島)長楽頤養服務有限公司(以下・新華錦有限公司)が161室の高齢者住宅「新華錦長楽国際頤養中心」(以下・新華錦ホーム)を運営しているが、今回のプロジェクトは、新華錦ホームから車で約1時間半程度の距離となる。
ロングライフは、このうち自立高齢者を対象にした「高齢者住宅エリア」(約5万坪)と要介護者を主な対象とする「養老保険対応ホームエリア」(約10万坪)の運営を手掛ける。住宅の詳細は未定だが、両エリア合計で約3000室程度になる予定で、新華錦有限公司が運営受託の形で関与する。
2020年に着工し、第1期として「養老保険対応ホームエリア」が25年にオープン、「高齢者住宅エリア」は第2期として同年中にオープンする予定だ。
それ以外のゾーンについては、運営者を選定中だが、医療ゾーンについては韓国の大学病院が手掛けることが決まっており、2021年のオープンを目指すという。
「高齢者住宅エリア」の価格帯については「新華錦ホームは一時金方式で日本円にして2000万円程度ですが、それよりは高くなると思います。新華錦ホームは、入居金は退去時に全額返金していましたが、今回は日本の有料老人ホームのような償却制度の導入など、新たな契約形式を検討したいと思います」(ロングライフホールディング瀧村明泰常務)
入居者は、中国の資産家層のほか、ロングステイの日本人シニアも対象とする。エリア内には日本の街並みを再現したゾーンを設けるなどして、「日本の会社が運営する高齢者住宅」を前面に打ち出していく。
「中国の資産家シニアの中には、日本に住んでいた人や、日本語を話せる人、日本文化に興味がある人も多いので、そうした『日本と縁がある人』も取り込んで行きたいと思います」
スタッフについては、現在、新華錦ホームで勤務するスタッフを移すなどして9割程度を現地採用スタッフとし、マネジメント層については日本から赴任させる。
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